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私の着物への思い



私が若い頃、成人式の時や結婚する時など着物を作るのが一般的でした。
娘に嫁入り先で肩身の狭い思いをさせたくない親心が垣間見えます。
娘が3人いると身上潰れる(しんしょうつぶれる)と言われました。
財産を使い果たす、と言う意味です。

訪問着や付け下げ、黒留袖、色無地、喪服、それぞれの帯、それに付随する小物や草履バックetc‥
嫁入りの時に、桐の箪笥に入れて持たせてくれます。
今は、そんなことをしてくれる親御さんは希少と思います。
私も娘たちには持たせていません。
着る機会も少なく新居も狭い、畳むことや手入れすることもできない‥
そんなことを想像して持たせられません。
他の役立つものを買った方が娘のためと思います。

結婚してから40年ほど経ち、娘がいれば母の着物を着てくれるかもしれませんね。
専門学校の学生は、お母様の高価な着物を練習に使っています。
勿体無いと思いつつ、処分されるより役立つから良いかな、とも思います。

リサイクルの着物には、それぞれ親の思いやストーリーがあります。
作った職人さん、着物屋さん、思い出とともに大切にされた着物ほど愛おしく思えるのです。


成人式に着た振袖です
叔母から譲り受けました